介護職にも役立つ医療倫理の学び|東京大学の無料オンライン講座を紹介
介護職にも役立つ
「医療と公衆衛生の倫理」とは?
東京大学が公開する無料オンライン講座について、 介護現場で役立つポイントと学べる内容をわかりやすく紹介します。
介護の現場では、決められた手順だけでは判断できない場面があります。
利用者本人の希望と家族の希望が異なるとき、 本人が自分の意思を十分に伝えられないとき、 終末期の支援について判断を求められるときなど、 「何を大切にして考えるべきか」に迷うことも少なくありません。
そのような場面で役立つのが、医療やケアに関する問題を 倫理的な視点から考えるための「医療倫理」です。
今回は、東京大学が公開しているオンライン講座 「医療と公衆衛生の倫理」について、 介護職にとって役立つポイントを交えながら紹介します。
「医療と公衆衛生の倫理」とは
「医療と公衆衛生の倫理」は、東京大学が公開している オンライン講座です。
講座では、医療や福祉の現場で生じるさまざまな問題について、 何を基準に判断すればよいのかを考えます。
医療や福祉の現場での判断は、どこに基準を置くべきなのか。
本人が意思を伝えられない場合、どのように考えるべきなのか。
治療を希望しない人の意思を、どこまで尊重すればよいのか。
本人と家族の希望が異なる場合、どのように対応すればよいのか。
医療や福祉の現場では、病気や治療に関する知識だけでは、 答えを出すことが難しい問題があります。
この講座では、医療倫理の基本的な考え方を学びながら、 人生の始まりや終わり、本人の意思、家族との関係、 対話による意思決定などについて考えていきます。
介護職が医療倫理を学ぶメリット
医療倫理という言葉から、医師や看護師だけが学ぶ内容だと 感じる方もいるかもしれません。
しかし、介護職も利用者の生活や人生に深く関わります。 日常の支援や意思決定の場面で、医療倫理の考え方が 判断の助けになることがあります。
支援する側の都合だけで決めるのではなく、 本人がどのような生活を望んでいるのかを考える視点につながります。
どちらか一方の希望だけで判断せず、 それぞれが何を大切にしているのかを整理する助けになります。
延命治療や療養場所など、 本人の人生に関わる選択について考える基礎になります。
医師、看護師、ケアマネジャー、家族などと話し合う際に、 何が問題になっているのかを整理しやすくなります。
例えば、食事を十分に取れなくなった利用者について、 本人は積極的な医療処置を望んでいない一方で、 家族はできる限りの治療を希望している場合があります。
このような場面では、 「本人の意思」「家族の思い」「身体への負担」 「医療やケアによって得られる利益」などを整理し、 多職種で丁寧に話し合う必要があります。
判断の基本となる「医療倫理の四原則」
講座では、医療倫理を考える際の基本として、 次の4つの原則を学びます。
本人の価値観や希望、意思決定を大切にする考え方です。
本人に不必要な苦痛や害を与えないようにする考え方です。
本人にとって利益となる支援や行動を行うという考え方です。
必要な医療や支援を公平に提供するという考え方です。
実際の現場では、4つの原則のすべてを同時に満たすことが 難しい場合もあります。
例えば、本人の希望を尊重することと、 本人の安全を守ることが両立しないように見える場合です。 そのようなときに、複数の視点から問題を整理するための 手がかりとなります。
講座で学べる5つの内容
講座は、次の5つの動画講義で構成されています。
- 101分 医療倫理の基礎 倫理学の基礎や医療倫理の四原則など、 医療倫理を考えるための基本を学びます。
- 37分 赤林教授へのインタビュー 医療倫理に関する研究や取り組みについて、 インタビュー形式で学びます。
- 97分 人生の始まりの倫理 生殖補助医療、代理母出産、出生前診断など、 人生の始まりに関わる問題を考えます。
- 61分 人生を終えるときの倫理 終末期の意思決定、延命治療、安楽死や尊厳死など、 人生の終わりに関する問題を考えます。
- 32分 三浦清春先生へのインタビュー 終末期医療や意思決定について、 専門家へのインタビューを通して学びます。
AIを使った対話型の学習も用意されています
この講座には、動画を視聴するだけでなく、 AIと対話しながら考えを深める学習も用意されています。
AIを活用した学習のポイント
- 学習するテーマについて、自分がどのような疑問を持っているかを整理する
- AIとの対話を通じて、医療倫理について自分の考えを深める
- 医療者や患者の立場を想定した場面で、意思決定を考える
医療倫理には、すべての場面に共通する一つの正解が 用意されているわけではありません。
相手の話を聞き、自分とは異なる価値観も理解しながら、 よりよい方法を考えることが重要です。 対話型の学習は、その練習にもつながります。
受講を始める方法
講座は、オンライン学習サービス 「Coursera(コーセラ)」を利用して受講します。
- 講座ページへアクセスする このページの下にあるボタンから、Courseraの講座ページを開きます。
- Courseraのアカウントを作成する メールアドレスとパスワードを入力し、画面の案内に沿って登録します。
- 講座への参加手続きを行う 登録後、講座ページに表示される案内に従って受講を開始します。
- 自分のペースで動画を視聴する 都合のよい時間に講義を視聴し、各テーマについて学びます。
まとめ|「正解」を覚えるのではなく、考える力を身につける
介護の仕事では、利用者一人ひとりの生活歴、価値観、 家族関係、健康状態などを踏まえて支援する必要があります。
そのため、単に決められた答えを覚えるだけでなく、 「本人にとって何が大切なのか」 「異なる立場の人とどのように話し合うのか」を 考える力が重要になります。
東京大学の「医療と公衆衛生の倫理」は、 医療・介護・福祉に関わる方が、 日頃の支援をあらためて考えるきっかけとなる講座です。
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