

TOPICSステップからのお知らせ
お知らせ
2025.08.15
※個人が特定されないよう表現を調整しています
【転職ストーリー】現実を知ってから選ぶための相談記録
はじめに──今日のご相談の状態
ご相談は退職直後のタイミングでした。将来の進路については、まだ考えを整理しきれていないご様子。
私たちがまず大切にしたのは、いきなり答えを出すことではなく、「自分はどうなりたいのか」を言葉にしていくプロセスを整えることでした。
そのため、結論を急がせたり、背中を無理に押すことはせず、現状の不安や希望を丁寧に棚卸しするところから始めました。
相談の背景
20年近く営業職として働き、社内の仕組みづくりや管理業務も担ってこられた方です。若い頃からのあこがれを追い、長年の職を離れて交通インフラ関連の現場職へ転身。必要な資格も取得し、新しい道へ踏み出しました。
しかし、実際に働き始めてみると、憧れだけでは乗り越えられない現実が待っていました。自分が描いていた理想と現実との間に立たされ、そのギャップに葛藤する日々が続く中、次第にワークライフバランスも崩れていったそうです。
介護を選択肢に
もともと介護の仕事にも関心があり、「資格だけでも取っておきたい」という思いはありましたが、多忙ゆえ受講は先送りに。退職を機に、改めてご相談くださいました。
「介護は生活支援や身体介護のイメージしかなく、自分にできるのか不安」という率直な声とともに、節目の年齢を前に「生活のためにも、続けられる仕事を見つけたい」という思いも共有されました。
相談会でお伝えしたこと
- 理想と現実のギャップはどの業界にもある──前職の業種も介護の現場も例外ではないこと。
- やりがいと責任の重さは表裏一体──その分、決して「楽な仕事」とは言えないこと。
- 介護は制度(介護報酬)で動く──給与・処遇の改善は現場努力だけでは限界がある現実があること。
- 耳ざわりの良い情報で受講を促すのではなく、判断材料になる事実を率直に共有するのが私たちのスタンスであること。
まず整えるのは「決め方」
今回は、選択肢を増やすよりも先に、ご本人の「なりたい姿」を明確にするフレームを一緒に作りました。
具体的には、
・働き方(夜勤の有無/回数、通勤、休暇の取りやすさ)
・年収レンジ(初任者・実務者・夜勤導入後の見通し)
・職場環境(教育体制、記録ツール、チーム連携)
といった比較軸を先に可視化し、「合う・合わない」を確認してから動く設計にしました。
ステップの姿勢
- 納得できる決断を最優先──私たちの都合で急がせません。
- 無理に勧めない──必要なのは「理解」と「納得」。
- 現実も伝える──知ったうえで前に進めるように。
最後に
今回の相談者さまが介護の道を選ぶかどうかは、まだこれから。受講しない選択も含め、最善の判断ができる状態を整えることが、今日のゴールでした。
ステップの相談会は、単なる説明や営業の場ではありません。「ちゃんと聞きたいことを聞ける」「耳ざわりの良い話だけでなく、現実も知れる」──そんな場です。
転職は人生の大きな決断。だからこそ、私たちは誠実に、率直に向き合います。